人間は自分の人生の出来事をつなげて「物語」として解釈する傾向がある
人間は人生での出来事を「バラバラの出来事」と解釈せずに、原因と意味をつなげてひとつの物語として解釈する傾向があります。これをナラティブ思考といいます。
なぜ人はナラティブ思考をするかというと
- 1.安心のため
- バラバラの出来事を一つの物語にまとめると、「自分の人生には意味がある」と思えて心が安定する。
- 2.アイデンティティの確立
- 「自分はどんな人間なのか」を物語として整理することで、自己像をつかみやすくなる。
- 3.他人に説明するため
- 人に自分を語るときも、「私はこういう経緯で今ここにいる」とストーリー化しないと伝わらない。
上記の理由によるものです。ナラティブ思考のメリットとして自分の人生を前向きに意味づけられる、困難を「試練」や「成長のきっかけ」として再解釈できる、他者との共感やつながりが生まれやすいなどがありますが、リスクとして事実をねじ曲げてでも「一貫性のある物語」にまとめてしまう(=自己正当化)、過去の出来事を過剰に美化・悲劇化して囚われることがある、などがあります。
確かに人生の出来事のひとつひとつを個別の出来事と捉えるよりも、それらの出来事をつなげて解釈する方が自然な気がしますね。